昨年末に詳細を知って以来、新生W800/カフェに対して、僕はそこはかとない不安を抱いていた。その原因は、グリップ位置がかなり低くなるスワロータイプのハンドルと、ビキニカウルを標準採用するカフェで、車体の包容力が万全とは言い難かった従来型の乗り味を考えると、装備の変更&追加を行ったカフェは、操安性に何らかの支障が生じるんじゃないか、と感じたのだ。
でも、その心配は杞憂に終わった。本題に入る前にストリートの話をしておくと、車体の大改革が行われた新生W800の乗り味は、従来型とは別物だったのである。単刀直入に言うなら新生W800は、かなりの無理が利き、かなりのハイアベレージで走ることができる。逆に言うなら、そういう車体が構築できたからこそ、カワサキはカフェをラインアップに加えたのだろう。
では実際のカフェの乗り味はどうかと言うと、前述した低いグリップ位置とノーマルより20mm高いシートのおかげで、予想以上にスポーティである。具体的には、前輪の接地感がわかりやすく、体重移動に対する車体の反応が俊敏なので、知らず知らずのうちにペースが上がり、ふと気づくと従来型とは趣が異なる、空冷バーチカルツインの中~高回転域の吹け上がりを満喫している。
そしてそういった特性を理解した僕は、もしかしたら新生W800の潜在能力の高さは、カフェのほうがわかりやすいかも・・・?と感じたのだが、もちろん常用域での扱いやすさなら、ライポジがアップライトで、フロントまわりの動きが軽快な、ストリートのほうが上だと思う。
|