川崎重工グループが総力を結集して開発した究極のロードスポーツモデル「Ninja H2」をベースに日常域での扱いやすさを高めたスポーツツアラーとして登場したのが「Ninja H2 SX」だ。改良されたバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載し、シャーシもタンデム走行とパニアケース装着に対応したフレームに変更。ライポジやボディデザインも見直されるなど全面的に手が加えられている。特に上級グレードの「SE」にはフルカラーTFT液晶メーターやLEDコーナリングライトなどの装備が追加されているのが特徴だ。ライポジはH2に比べると程よく上体が起きて、シートも広くより快適になっている。フルカウルに高さのある大型スクリーンが装備されたことで、それほど伏せなくても走行風をプロテクトしてくれる設計だ。
H2との大きな違いはエンジンだ。バランス型スーパーチャージドエンジンはより扱いやすく、ブーストの切り替わりもマイルドでしかもスロットル操作に対してタイムラグがない。自然吸気と変わらないフィーリングだ。ハンドリングは超高速ツアラーらしい安定感でH2よりもどっしりとした乗り味。ロングスイングアーム化により加減速での車体姿勢の変化も穏やかだ。電子制御の進化にも驚かされた。最新のボッシュ製IMUに統制されたトラコンやコーナリングABSは、それが介入していることが分からないほど自然。SEだけの装備であるアップ&ダウンシフターもスムーズだ。NinjaH2 SX SEは日常での扱いやすさやツーリングでの快適性を含むトータル性能を底上げした進化型H2と言えるだろう。
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