2017年末に発売されたZ900RSのラインナップに新たに加えられた、カフェレーサー・スタイルの外装を架装したバリエーションモデルがこのCAFEだ。
インパクトの強いビキニカウルの装着をはじめ、つや消しブラックにペイントされたハンドルは左右で10mmずつ狭く、メリハリの効いた段付きシートはまるでシングルシートのような趣きである。シート高はRSよりも20mmほど高く、見た目の印象と同様に、実際に跨っても数値以上に違いを感じる部分だ。
スペック的には車重が2kg増えただけだが、そのルックスから受ける印象はスタンダードのRSとはだいぶ異なり、1970年代のAMAスーパーバイクのカルチャーを知る者には、ある種の懐かしさとともに甘酸っぱいキモチを呼び覚ましてくれるにちがいない。
走らせても上気した興奮は収まらない。ノーマルのイメージを超えてくる元気な排気音とともにシフトアップを繰り返せば、外見ストリートファイター、中身スポーツネイキッドのベースモデルであるZ900よりも、さらに急かされない重厚なフィーリングで217kgの車体をグイグイと力強く前に推し出してくれる。他にも美点は多く、ブレーキのナチュラルフィーリングもこのバイクの素性の良さを語るに十分だろう。
ちなみにCAFEには写真のライムグリーンのほかに「パールストームグレー」というダークカラーも用意されていて、これがこれでカスタム感が強くスタイリッシュであることを最後にコソッと加えておく。
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