話題のニンジャH2は、これまでにない走りの世界を可能にした唯一無二のバイクだ。でも、あえて言うなら、メガスポーツを凌ぐ動力性能と、スーパースポーツのハンドリングが融合した新しいカタチと表現して差し支えないだろう。
ライディングポジションは、スーパースポーツのそれを、やや快適志向に振ったもの。ハンドリングは、純粋なスーパースポーツほど軽快で俊敏ではないものの、ほぼ同じ類の感覚でマシンコントロールを楽しめる。普通に走らせている分には、ちょっと大柄で敷居の高そうなストリートスポーツといったところだ。
エンジンは、どの回転域からでもスロットルを開けただけで、ライダーが欲しいだけのトルクを引き出すことができる。その特性が、エキサイティングであることは言うまでもないだろう。実際、他誌のレポートを見ても、そのときの抑えきれない興奮を表現しているものが多い。
だけど僕は、その一方で冷静さを保っていられるのが、ニンジャH2の本質ではないかと思う。第一、こいつを興奮に任せて走らせたのでは、危険極まりないのだ。
スーパーチャージャー過給による怒涛のトルクは、回転数やスロットル開度に応じて発生するが、ライダーの欲しないものが出現することはない。つまり、この超高性能マシンを、自分のコントロール下に置いた気分になれるのだ。
後は、動力性能をツアラーとして使うのか、最速のメガスポーツとするのか。それは、ライダー自身が決めてやれば良いだけだ。
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