今年新型がリリースされたZ250。今回のモデルチェンジではエンジンやシャシーなどの内部に大きく手が加えられている。まず、大型スポーツモデルでは採用されることが多くなったものの、250ccクラスではまだあまり見られないダウンドラフト構造の吸気ラインを取り入れている。これにより、スロットルワークに対する反応が向上したほか、燃焼効率も上がり、最高出力は従来モデル比6馬力アップの37馬力という、想像を超えた数値をたたき出している。
フレームもまた新設計とされ、高出力を受け止めるために剛性力の最適化を行ったほか、エンジンブロックをフレームの一部として使うことによって、スリムなシャシーとすることができ、なおかつ従来モデルと比べ6kg軽量の164kgとしている。ストリートへと持ち込むと、出だしのトルクこそシングルエンジンのような軽やかさは無いものの、充分な押し出し感を備えていつつ、高回転域での伸びやかなパワーフィールは特筆すべきものがある。見た目から受ける印象のようなアグレッシブなキャラクターではなく、どのようなシーンでスポーツライドを行っても受け入れてくれるキャパシティが向上したという感じだ。
強烈にスポーティなバイクをイメージして乗ると、やや肩透かしを食らう感は否めないが、街乗りでもツーリングでも、どこでも臨機応変にスポーツランを楽しめる懐の深さを持っているし、その点に関しては従来モデルを踏襲しているといえ、トータルでのパフォーマンスが引き上げられたということなのだ。
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