ニンジャ650の新型はデザインが一新され、よりアグレッシブな印象になった。新設計のダブルパイプペリメターフレームが採用され、水冷並列2気筒エンジンも吸排気系を見直し、低中速トルクが強化されているのが特徴だ。
ライポジはかなり上体が起きていて、ツアラーというよりネイキッドに近い感じ。シートは高めだが、その分、車体が絞られているため足着き性も悪くはない。
エンジンは180度クランクが採用されているため、低中速ではVツインのような不等間隔爆発の小気味よいパルス感が味わえる。バランサー装備なので鼓動感はあっても不快な振動はなく、4気筒並みにストレスなく回り切るスムーズさも持ち合わせている。常用域でトルクの増したエンジンは街乗りでも扱いやすく、渋滞路のような極低速でもなかなか粘ってくれる。ハンドル切れ角もネイキッド並みに大きく、おまけに燃料タンクにもえぐりがあるので、Uターンなどはとても楽だ。
ハンドリングは基本的に安定志向。ワインディングではミドルスポーツらしい軽快感があり、目線を向けるだけで気持ちのいいコーナリングを楽しめる一方、高速道路ではツアラーらしい安定感のある走りが楽しめる。ブレーキは穏やかで扱いやすく、ツーリングを前提とした、厚盛りのシートや3段階調整式ウインドスクリーンも長距離移動にはありがたい装備だ。街乗りに、ツーリングに、気軽に扱えるオールラウンドな性能、そして、80万円を切るリーズナブルプライス(車両本体価格)も魅力だ。
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