これまで使われてきたZZRという名前を捨て、2012年モデルからZX-14Rを世界共通ネームとしたカワサキのフラッグシップモデル。最高速300km/hオーヴァーを楽しめるストリートリーガルなドラッグスターだ。
まず見た目がガチマッスルではないか。全体的なアイディンティティを踏襲しつつ、フロントマスクに備えられた四灯はさらに鋭くなり、その顔つきはタランチュラの様相。2012モデルではエンジン排気量が1441ccまで引き上げられ、最大210馬力を発生、それにあわせてフレームから足回りまで改良が加わっているのだ。
跨ってみると、見た目とは裏腹に想像以上にコンパクトなライディングポジションだ。クラッチをつないだ瞬間から、溢れ出るようなトルク感を味わえるのはメガスポーツならでは。しかも加速は凶暴だが恐怖感を持たせない。トラクションコントロールが作動するので、急なスロットルワークでもテールが大きくスリップする心配が無い。つまり誰でもいつでも好ダッシュができるのだ。
そのパワーを受け止めるシャシーの出来具合もバツグンだ。しなやかに動くサスペンションが超重量級の車体を手足のように扱わせてくれ、フルバンクまで一気にバンクできる。また、バンク角も深く、センタースタンドはおろか、ステップを摺ることもまれだ。
サーキットではシートの固さが足りないとも感じたが、そもそも得意とするシチュエーションではない。それを差し引いてもトータルでの完成度が高く驚かされた。
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