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『Z』に並ぶカワサキの伝統のネーミング『W』が復活した。先代モデル同様に排気量を車名に持つW800として生まれ変わったのだ。その最大のハイライトは、FIの搭載と約100ccの排気量UPだろう。これはもちろん現代の環境事情に合わせるための変更だ。外観ではキャブレターがインジェクターに変わった程度の変化にしか見えないが、心臓部は650cc時代のエンジンをベースとしながらも、ケースを含め新造パーツが数多く使われている。
その他多くの『空冷＋キャブレター仕様車』と同じく、先代モデルがラインアップから消え去った時には、クラシック系を好むファンの失望感も大きかったが、W800は新時代のスタンダードバイクとして再出発を果たした。
走り出すとすぐに、W650との違いを体感する。まず低速トルクが格段に分厚い。先代はどちらかと言うと低速トルクが希薄でヒュンヒュンと回るエンジンだったが、W800は低速から力強く、Wのキャラクターにとてもマッチしている。当然排気量UPによるトルク感の増幅はあるが、より低・中回転域に振った味付けとしていることも大きい。FIのフィーリングも良好で、市街地や、峠道での走行でも常に右手の動きに追従してエンジンを制御してくれ、とにかく操りやすくなった。
FI搭載による環境対応という難しいテーマを見事にクリアしたW800。同時発表のカウル付きカフェスタイルのスペシャルエディションと共に、新しいWの世界を楽しむファンが増えそうだ。
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ボアのみを拡大して773cc化されたエンジンは低回転でも非常に力強い。カムを駆動するベベルギアは研磨方法を変更して、ギア鳴りを軽減。
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