1992年デビューのエストレヤは、小気味いいシングルエンジンと、クラシックなスタイリングでずっと人気のあるロードスポーツだ。同時に軽量コンパクトで誰もが取り回ししやすく、250ccクラスだから経済性も高い。また小柄な女子ライダーにとっては、735mmというシート高がもたらす最高に足つきのいいロードバイクとして無くてはならない。
そのエストレヤのリニューアルは、どこがどう変わったのか分からないほどの少変更によるマイナーチェンジだ。けれど、その細かい変更の積み重ねで、完成度がすごく上がっている。
パワーフィーリングは、インジェクション本体や制御マップの変更で、どの回転域でもレスポンスがよく、全域でトルクが出ている。特に旧モデルでは発進トルクが一瞬だけ落ち込んで、慣れないとエンストしてしまうことも少なくなかった特性をキレイに補正して、中回転域にうまくつながるフィーリングに仕上げている。
ハンドリングは前後サスペンションの味付けを変更し、乗り心地が向上している。特にリアサスは、スプリングレートと減衰力のセッティングを大きく変え、大柄なライダーが乗っても腰砕けになることがない、コシのあるハンドリングに仕上がっている。旧モデルのフワフワした感に、ビシッと芯が通った印象になった。
2次減速比とインジェクションマップの変更で、発進から力強いダッシュをみせ、クルージングスピードでの乗り心地も上がったエストレヤ。その結果、走りの「質」が上がって、チョイ乗りからツーリングまで、これまで以上に守備範囲が広くなった。気軽さと、どこへでも行ける機動力を両立した新型なのだ。
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