SUGOMIをテーマに開発され、’14年から海外、’17年から日本仕様の発売が始まった四代目Z1000は、ルックスだけではなく、乗り味も非常にアグレッシブだ。車体はちょっとしたきっかけで、一気に向きを変えようとするし、スロットルレスポンスはかなりシャープだから、迂闊に右手を大きくひねると、前輪が浮きあがったり、後輪がズズッと流れたりする。フォークを路面に突き刺すかのようなフロントブレーキの利き方には、ジャックナイフの怖さを感じる人もいるだろう。だから僕は、気軽に万人にオススメするつもりはないのだが・・・。その一方で今回の試乗では、このバイクは今が買い時?と感じたのだった。
と言うのも、Z1000に備わっているソリッドでダイレクトなフィーリングと、ライダーの技量を問う挑発的な味付けは、至れり尽くせりのハイテク電子制御が当たり前になった、近年の他社製スポーツネイキッドではなかなか感じづらいのである。もちろん、その特性は偶然の産物ではない。Z1000と基本設計の大半を共有する兄弟車のニンジャ1000は、IMUやトラコンなどを導入することで、ジェントルでフレンドリーなキャラクターを獲得しているのだから。
そういったニンジャ1000の資質や、近年のスポーツネイキッドの潮流を考えると、次世代Z1000が現状の特性を維持するかどうかは微妙なところで、もしかしたらハイテク電子制御を導入するのかもしれない。だからこそ僕は、今が買い時?と感じたのだ。
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