Z1000が、再び超刺激的なモデルになった。
初代の03年型は、過激とも言える特性だったが、2代目となる07年型以降は、ややマイルドな仕様に路線変更。しかし10年型となり、アグレッシブさを取り戻したのだ。
完全新設計となったエンジンは、ニンジャZX-9R用ではなくなり、ボア×ストロークから見直し。排気量が90cc拡大されて1043ccとなった。その結果、常用回転域の力強さを重視しながら、高回転域でも非常に高いパフォ―マンスを発揮する、かなり気持ちのいい仕様となった。
ギアレシオは、1速なら110km/h弱、2速でも145km/hほどでレブリミットに達する設定。このクラスとしては、だいぶショートな数値だが、それがかえってZ1000の刺激的な加速性能を生んでいる。ちなみに、1速ならアクセルを全開にしているだけで、簡単に前輪が浮き上がる。ライダーは、そういった特性に心躍らされる。
またこの設定には、タイトコーナーでもギヤ比が合いやすいというメリットもある。さらに、6速100km/h時では、エンジン回転が4000回転以上になり、心地よい排気音とパルスを発生。高速巡航時であってもまったく退屈することがない。
いっぽうで、フレームがアルミ製になるなど、こちらもほぼすべてが新設計となった車体も、超攻撃的な外装デザインに恥じない高い運動性能を誇っている。
ハンドリングは軽快かつ自然で、挙動もわかりやすく、そのライダーのレベルなりに、自在にコントロールできる。
ピックアップのいいパワーユニットとの組み合わせにより、アクセルワークだけで車体の動きを自由に操ることができるから、リーンウィズのままでも、ヒザを擦るほど深く寝かさなくても、スポーティにファンライドできる。それでいて、アグレッシブな走りにも余裕で対応するほどの性能も秘めている。
10年型Z1000に乗ると、楽しく、元気になる。この刺激と快感、ぜひ味わってほしい!
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