250アドベンチャーモデルの中で一番売れているスズキVストローム250に、ABS(アンチロックブレーキシステム)仕様がタイプ設定された。すでに販売されているモデル(継続生産車)は'21年10月1日以降にABS装着が義務化されるが、今回はその規制に先駆けた対応。Vストローム250を長く育てていこうというスズキの意気込みが感じられる。
エンジンに変更はないので、極低速トルクが太く、パワーがマイルドに立ち上がってくる誰もが扱いやすいエンジン特性も変わらず。800mmと低く抑えられたシート高は小柄なライダーにも安心な足つき性を実現し、ウインドシールドは高い整流効果を発揮するなど、ロングツーリングで疲れにくい乗り味は健在だ。そこにABSが追加されたことで、走りはどう変わるのか? 全日本クロスカントリー選手権チャンピオン渡辺学選手のインプレッションを聞いてみよう。
「ABSが作動するとブレーキングを断続的に解除し、後輪を回転させることで車体を直立させて、テールスライドしにくくします。それが、滑りやすい路面や下り坂でのブレーキングミスを減らしてくれるんです。ブレーキング解除時はブレーキペダルにキックバックが伝わってくるので、ABS作動状態を体感しやすいのがいいです。扱いやすいエンジンが生む乗りやすさはそのままに、安心感が一段と高まっていますよ」とのこと。ABSを装備したVストローム250は、さらに扱いやすいアドベンチャーモデルへと進化している。
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