ここ10年ほど、世の中では現代的で洗練されたスタイルのニューエイジのネイキッド人気が盛り上がっている。欧州で興った90年代後半のストリートファイターブーム、そしてトラ・スピードトリプルやMVアグスタ・ブルターレのデビュー。それらによって新しいネイキッドの価値観が生み出されたといっても過言ではない。
スズキが先ほど発表したGSR750は、まさに現代的な手法で生み出されたネイキッドだ。それまで国産モデルにもSS系の強心臓を積むモデルはあったにせよ、スタイル的な訴求は欧州製マシンと比較するとやはり弱かった。しかしこのGSR、見た目からしてかなりキテる。デザインのメリハリがとてもよく効いていて、日本車離れしたスタイルなのだ。
エンジンはGSX-R750をベースに、ストリートを重視した味付けだ。とはいえ、ひとたび右手をひねればたちまち凶暴な一面をさらけ出す。荒々しい見た目そのままの性格を、ちゃんと持っているのがこのマシンの真骨頂。単なるナンチャッテではないのだ。
スタイリッシュで速い。しかも乗りやすい。バンディットやGSFなど、これまでのスズキ歴代車同様の特長は、GSRにも感じられる。ストリートでもワインディングでも癖のないハンドリングは伝統と言ってよいかもしれない。
ただ、数時間の試乗でお尻が痛くなったのはチョット残念だったが、乗るときは思いっきりカッコつけて、バイクと自分のコーディネイトに楽しんで欲しい。GSRはそんなバイクである。
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