海外でも高い人気を誇るスポーツエンデューロツアラー、Vストロームに日本国内仕様が登場。ABS標準装備で販売が開始された。
跨った印象はやや大柄。シート高も従来型より15mmアップの835mmとされているが、タンク周りがスリムになったおかげで実際の足着きはむしろ良くなった気すらする。
エンジンはマイルドですこぶる扱いやすい。同じVツインでも、輸入モデルなどに比べると穏やかで粘りがありUターンも楽々。振動が少なくきめ細かい回転フィールは並列2気筒か3気筒と言われても信じてしまうほど。まさにツアラー向きのエンジン特性だ。
パワー的にも必要十分な性能で、穏やかな出力特性がゆえに、どこでもスロットルを開けていける気持ち良さがある。このあたりはミドルクラスならではのメリットだろう。車格的にもアドベンチャーモデルとしてはけっして大きすぎないところがいい。
ガッチリとしたアルミ製ツインスパーフレームと長い脚のお陰で、荒れたコーナーでもピタッとした安定感がある。かつ高速道路では防風効果の高いスクリーンによって快適なクルーズが楽しめる。ABSはロック&リリースの制御がより細かくなり、従来型より思い切ってブレーキが掛けられるようになった。雨天など悪条件になるほどありがたい装備だ。
その他にも約400kmを無給油で走れる燃費の良さ、荷物をたくさん積めるグラブバー一体型のリアキャリアなど、実用性の高さも魅力。質実剛健でコストパフォーマンスにも優れる。隠れた名車だ。
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