ビッグスクーターといえば、かつては国産メーカーのお家芸とも言えるセグメントであった。ところが最近ではBMWやアプリリアなどの欧州メーカーも意欲的な大型車をリリース。各メーカーの主導権争いはここにきていよいよ激しくなってきた。
スズキが先ほど発売したスカイウェイブ650LXは、欧州ではバーグマン650として知られるモデル。昨年秋に大幅な変更を受け、ひと足先に欧州でデリバリーされていたが、今回晴れてその国内版であるスカブ650に試乗することができた。
前モデルからABS、電動スクリーン、各種ヒーターなど、シリーズ最高峰に相応しい装備を搭載していたが、今回大きく変わったのはそのデザイン。近年のスズキプロダクツとイメージを共有できる、精悍なエクステリアへと生まれ変わった。
跨って最初に気が付くのはその足着きの良さ。一般的に大排気量スクーターは足着きに難があるが、シート高760mmのスカブは身長160cm台前半の人でも片足が楽に地面に触れる。また、見た目以上に重心が低く、取り回しでも恐怖感が少ないばかりか、高速巡航時でもその効果は絶大で、強風の中でも路面に吸い付くような安定感がある。
エンジンは静粛でトルクフルな特性だが、マニュアル変速モードを駆使すれば、スポーティな走りも堪能できる。また、四輪ATの0/Dボタンのような使い方ができるパワーボタンを押せば、ATモードでもキビキビと走れ、峠道でも重宝した。
充実の装備と安定感溢れる車体は長距離ランも許容し、疲れを残さず日常生活に戻れるGT的な資質も十分に備えていると断言できる。
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