昨年度のWSBK(世界スーパーバイク選手権)でチャンピオンを獲得したアプリリアRSV4。その走りの遺伝子を受け継いで登場したRSV4 R APRCは、現行スーパースポーツの中でも最もエキサイティングな車両のひとつだ。
なんと言っても、世界を制したV4エンジンを巧みに制御するAPRC(アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール)と呼ばれるトラクションコントロールシステムが採用されたことにより、ライダーの好みや路面状況に合わせて細かく出力特性を調節できる点が素晴らしい。
後輪のスリップを感知して最適なトラクションを得られるATC(アプリリア・トラクション・コントロール)、前後輪の回転差からウイリーを検知するAWC(アプリリア・ウイリー・コントロール)、そして完璧なスタートダッシュを決めるためのALC(アプリリア・ローンチ・コントロール)と、それら全てはサーキットでの性能を追い求めた結果生まれた技術だ。
最近はこの手の制御システムを投入する車両も多いが、アプリリアの場合は各モードで制御の介入度を任意で細かく調整できるため、よりライダー主体のセッティングが可能だ。ハッキリ言ってエンジンが弾きだすパワーは凶暴そのものだが、制御技術によってライダーはその危うい部分を抑えこむことができるのだ。これは精神的にもかなりプラスに働くはずだ。
人間の感覚とリンクする新時代の電子制御。現時点でアプリリアが持つ技術は、相当なレベルに達しているといえるだろう。
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