内燃機エンジンを使用した地球史上初の自動車やオートバイが生み出されてから、140年近くの時を経た今、自動車業界はこれまで歩んできた内燃機エンジンを使うという開発方針を変えつつある。今回テストするのは、TV番組でもおなじみの「ヤマハ・E-Vino」だ。
キーを挿しこみオンに回す。そしてメーターのボタンを押すと通電し、スロットル操作で発進することができる。まず最初に無音であることが分かる。次に発進時のトルク感はエンジンモデルを凌駕していると言い切れる。少し前に4ストロークエンジンを搭載する現行の原付をテストしたのだが、それと比べても感触的に良い。
問題は坂道で現れる。登坂角度がきつくなると、途端にパワーダウンしてしまうのだ。これは現在市販されているすべての原付EVに言えることなのだが、E-Vinoの場合、標準とパワーという二つの走行モードの他に、ブーストボタンが用意されているため、短い時間であれば、さほど気にならないとは思う。
逆に平たんな土地であれば、何も問題は無いと言える。普段使いを想定してもパワー的には十分であるし、出先で充電しつつ、長距離を走破することも可能。はっきり言ってしまうと、内燃機エンジンかEVかの話になると、どちらが良いとは言い切れない。ただ、乗って楽しい、便利という部分においては、E-Vinoはお薦めできる一台だ。今現在、このモデルを選んだとしても、とても有意義だと思うし、E-Vinoを手掛けているヤマハは、今後より魅力的な原付EVを出してくることだろう。
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