MT-09は“クロスプレーン・コンセプト”に基づく新開発の水冷4スト直列3気筒845ccエンジンを搭載したネイキッドである。その上級版として今回登場したMT-09 SPはKYB製フロントフォークとこれに合わせてバネレートと減衰力を最適化したオーリンズ製リアサスを組み合わせた前後フルアジャスタブルタイプを装備。上質な特製シートと黒反転のデジタルメーター、MT-10 SPと共通イメージのカラーの採用などさらにグレード感を高めた特別仕様となっている。
低速からアクセルひとつでドーンと出ていく力強いトルク感、俊敏なスロットルレスポンスは相変わらずだ。最高出力は116psと驚くほどではないが、3気筒クロスプレーン独特の俊敏でダイレクトなパワーと軽量な車重を活かして、スペック以上の瞬発力を見せつけてくれる。
STDとの違いは何と言ってもグレードアップされた前後サスペンションだ。俊敏さの中にもしっとり感が出て、ギャップの通過でも吸収性が良いため姿勢が安定している。コーナリングでも荷重をかけて曲がるほどいい味が出てくる。コーナー途中に出現するあのイヤな減速帯の凸凹なども気にならないし、路面のウネリなども前後の長い脚がうまくいなしながら追従してくれるおかげでリラックスして曲がっていける。
これだけの充実装備でコスパ的にも素晴らしいレベル。ツーリングからサーキットまで幅広く楽しめるモデルだ。
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