昨年10月、国内市場に投入されたマジェスティSはヤマハモーター台湾が開発・生産するSMAXの日本国内仕様車である。
250ccモデルのマジェスティより小さく、原付二種のシグナスXよりも大きい絶妙なボディサイズのマジェスティSの車重は145kg。そのため取り回しで、とても扱いやすい。しかしシート高は795mmとやや高め。身長160cm前半の筆者では両足とも足の指の付け根が路面に付く程度。だが車体が軽量なため不安は少ない。ライポジは欧州のスクーターに近くスポーティな印象だ。
搭載されるエンジンは、新開発の水冷155cc単気筒。原付二種プラス30ccの恩恵は全速度域で表れ、信号発進では一般の乗用車をたやすく置き去りにできる加速を発揮。高速道路では追い越し加速こそ少し苦しく感じたが、90km/h付近までのよどみない加速性能と、法定速度での巡航能力は、日常使いのマシンとしては必要にして十分なパワーだ。
リアは水平方向にサスを配置するモノクロスサスペンションを採用。東南アジア向けモデルの多くがそうであるように、二人乗り前提のサスセッティングは、荒れた路面でやや硬めに感じるが、タンデム走行やスポーティな走りを考えると、こちらのほうが合っているのだろう。実際に一般道を使った通勤では、リアの硬さよりもスタビリティの高さのほうが勝っていた。
原付二種では物足りない、日常的にある程度長い距離を走る、たまに時間短縮のために自動車専用道路を使いたいといったユーザーには、ジャストな性能を備えたスクーターといえる。
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