一見すると原付2種にも見える車格を持つ排気量150ccのスポーツバイクは、日本では免許区分と税制からあまり馴染みがないカテゴリーである。そもそも国内販売をしている車両がなく、ほとんどが欧州や東南アジアなどの市場向けのモデルということもあって、その存在すらあまり知られていないというのが実情だ。しかし、各メーカーでは力を入れて車両開発を行っていて、実は面白いモデルが数多く存在するクラスでもある。
このヤマハYFZ-R15もまさにそんな一台だ。日本で開発され、インド市場を中心に東南アジア諸国の若者に人気を博しているR15は、見た目はまんまR1?!というほどスポーティーで、その佇まいからも走りの良さが伺える小型スポーツバイクだ。
車格は250ccよりも一回り小さいが、立派な外装部品でスタイリングは迫力がある。やはり走りが一番気になるところだが、これがかなり面白い。エンジンは1万回転近くまで気持よく回るし、ハンドリングやブレーキの性能もそれに負けないほど高く、バランスが非常に良い。かなり攻め込んだ走りができるから、ライディングの基礎を学ぶにはもってこいのマシンと言えるほどだ。
実は、ヤマハはこのR15を使用してロードレースの登竜門となりうるワンメイクレースを企画している。若者が手に入れやすい車両を使用することでレース人口の底辺拡大を目指しているのだ。こうした車両がユーザーの間に浸透すれば、二輪界もさらに活気が出そうな雰囲気である。
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