バイクだと思って乗ってみると、「何だコレは!」と想像も期待も裏切られる。原付1種だからトルクは小さく、力強さも加速感も物足りない。けれど視点を変えて、「新しい乗り物」とか「漕がなくていい自転車」としてEC-03を味わうと俄然楽しくなる。バイクに付き物である音や振動、匂いと熱、どれも発しないままスルーッと滑るように走ることに感じていた物足りなさが“おもしろさ”に変わるのだ!頼りないと感じていたトルクは、小さな車体にちょうどいい。さすがに幹線道路はちょっと不利だが、対向2車線未満の道路では特徴がグンと活きる。アクセルひとつでスイスイスーと走る感覚はバイクとは違う楽しさ!EC-03は電動バイクというより、電気モーター付自転車と呼びたい乗り物だ。
ヤマハが02年に発表したパッソルを受け継いだスタイリングは、自転車でもバイクでもスクーターでもないユニークなもの。街中にスッと溶け込みつつも人目を引く優れたカタチだ。今回の試乗中にも、自転車乗りたちからのジットリとした視線を浴びまくったほど。ラインアップされるカラーリングはおとなしめだが、明るい色彩でペイントしたらポップな乗り物になるはずだし、若い世代が注目する乗り物になりそう。
小さな車体は56kgで、電源オフ時の取り回しも楽チン。エレベーターに入るサイズだからマンションの玄関先まで持ち込める。また、補助金制度の対象のため、購入価格により最大2万円の補助を受けられるので、購入の際にはうまく活用したい。
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