FJR1300ASのコンセプトは「ダイナミックツーリング」。長距離をどこまでも快適に走りつつ、ワインディングでは高いスポーツ性能で走りを楽しむことが出来るという。昨年のモデルチェンジではミッションを5速から6速に、さらに新型LEDコーナリングランプの採用など、快適装備を充実させている。
試乗するにあたり、躊躇したのはその大きな車体。高さ調整が可能なシートは低い方にセットしているが、足つきは決して良いとは言えない。ところが、走り出してしまえば低速でも驚くほど安定していて、街中でも足つきは気にならない。
FJR1300ASではヤマハ独自の電子制御シフト「YCC-S」を採用している。そのメリットはクラッチ操作の省略やストップモードなどさまざまあるが、今回、とくに気に入ったのがペダルでもレバーでもギアチェンジ出来るということ。ギアを上げるときは人差し指で気軽に操作出来るレバーを使い、ギアを下げるときは操作感がいつも通りの感覚に近いシフトペダルを使用した。一般的なマニュアル車とは異なるギア操作は新鮮で、慣れてしまえば足だけでギアチェンジをするよりも素早い操作が可能。ワインディングがさらに楽しくなった。また、高速道路ではゆとりあるエンジンと電動調整式サスペンション、居住性の高いシートによって、まさにストレス知らずといえるもの。
今回、高速道路からワインディング、街中と一通り走ってわかったことは、FJR1300ASは最高級のもてなしで、ライダーを迎えてくれるということ。フラッグシップと呼びにふさわしい1台である。
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