FZ1フェザーといえば、ヤマハSSモデル最高峰のYZF-R1をルーツに持つモデルだ。エンジンのドナーとなったR1は05年モデル。R1が進化を続けるなか、フェザーは独自路線を守ったままじっくりと熟成を重ねている。今回試乗したフェザーGTは、STD車ではオプション設定となるフルカウル、スクリーン、ヘルメットロックを装備した特別な一台である。
エンジンがむき出しで小ぶりなアッパーカウルを装備するフェザーは、どちらかというとスパルタンなイメージだが、フルカウルとなったことでGT=グランドツアラーに相応しいスタイルとなった。
カウリングの効果を確かめるべく、高速道路へ繰り出してみたが、スクリーンの高さと幅が延長されたことで上半身への風の当たりが大幅に改善された。元々フェザーは、ハンドルがアメリカンバイクのようなライザーにマウントされており、乗車姿勢としてはアップライト。以前輸出仕様のSTD車に試乗した際、超高速域での風圧に耐えるにはかなり上体を伏せた記憶があるが、GTは至極快適だ。
気になるエンジンは国内仕様とあって馬力が抑えられているが、サーキットにでも行かない限り、パワーに不満を持つことはないはず。むしろ、ストリートではむやみにスロットルを開けすぎないよう注意したい。それほど静かに、ビックリするほどの速度域に達してしまう。
フェザーGTは、SS顔負けの速さで高速移動をこなせる数少ない快速国産ツアラーなのだ。
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