ヤマハの原付二種スクーターを代表するシグナス-X SRが、エクステリア関係に手を入れて、これまでの誰にでも受け入れられるコンサバ系ゲンツースクータースタイルから、若者を意識したスポーティー系スタイルに生まれ変わった。
変更箇所は、ボディ外装に加え、ヘッドライト横に設置されたLEDポジションランプ、ワンタッチでオープンするタンデムステップ、大容量になったシート下トランク、LEDテールランプ、新デザインのコンビネーションメーターなど、多岐に渡っている。またリアサスペンション、フロントブレーキキャリパーをブラックアウトすることで、スポーツイメージをより強めた。もともと評判の良かった500mLのペットボトルを3本収納できるフロントポケット、コンビニフックなど、ユーティリティ面に関しては従来通りだ。
シートはやや腰高の印象だが、足着きは身長160cm前半のライダーでも両足の踵が浮く程度。クッションはやや固めで、ライディングポジションは欧州のスクーターに近い。
気になる乗り味は、アクセルを開けると、スポーティなスタイリングに違わず出足が軽い。そのまま加速を続けると、法定速度を軽々と越えてしまうほど元気が良い。ブレーキの制動力は必要にして十分。しっかり感のあるハンドリングと相まって、交通の流れに余裕を持って乗ることができるといった具合だ。
原付二種クラスでは、シグナスのボディはやや大柄だ。しかし、それがかえって中距離の通勤通学にも堪える乗り味を生み出している。スタイルで選んでも、使いやすさで選んでも満足できる万能マシンである。
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