'04年に新登場して、翌年にデビューしたセロー250のベースともなったトリッカーは、エクストリーム系スポーツの雰囲気を取り入れた、「フリーライドプレイバイク」を提唱するストリートモデルだ。
'08年型で燃料供給のインジェクション化などが施され、2017年に新たな排出ガス規制の施行により一度は生産終了となったこのトリッカーが、環境性能強化を施されて'18年9月から復活販売されている。
従来型をベースとするこの新型は、緻密な制御を実現するO2フィードバック制御のフューエルインジェクションや、燃料タンク内から蒸発するガソリンを低減させるキャニスター(エンジン左側の下部にある黒いパーツ)を新採用。最高出力は2馬力アップ、車重は2kg増となり、大幅な燃費性能向上も図られている。
車体は小柄でスリム。先代比2kg増とはいえ車重は127kgで、シートは細身で足着き性に優れていて、またがった瞬間から扱いこなせるイメージを持てる。
エンジンは、10%強の最高出力アップよりも、極低回転域から高回転域までどの領域でもスムーズさを増した点を感じやすい。平地なら、1速や2速でクラッチを切らずに歩くような速度で走らせてもエンストしないし、そこからスロットルを開ければギクシャクすることなく加速できる。一方で、オフ車のフルサイズよりは小径な前後ホイールと軽量な車体の恩恵もあり、ツイスティな峠道をキビキビと走るのも意外と得意だ。
派手さはないが、この自在感はやっぱりクセになる。
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