ヨーロッパ市場で、ここ数年、販売台数を伸ばしているビッグスクーター。そこでトップクラスの人気を誇るヤマハのTMAXがモデルチェンジを受けた。ちなみに国内のヤマハでは、すでに12年モデルが発売されており、この新型はプレストの取り扱いでTMAX530として販売される。
ヨーロッパにおいて、これまで築いた地位を確固としたものとするため、ヤマハがTMAXに施したブラッシュアップは、エンジン、フレーム、カウル、ミッションなど、あらゆる箇所におよぶ。特にパワートレーンは、530ccに向上したエンジン排気量と、吸気周りの進化によってトルクバンドが従来モデルよりもワイドになった。加えて、この優れたエンジン特性を活かすため、新設計のCVTシステムを採用。より扱いやすい性能を獲得した。この扱いやすさは、バネ下荷重の軽量化による路面追従性の向上に寄るところも大きい。駆動方式がベルトになり約4kg軽くなり、加えてホイール、スイングアームも変更され、従来モデルより合計5kgのシェイプアップを実現しているのだ。
デザインは、TMAXの特徴ともいえるブーメラン形状のサイドカウルを継承しつつ、フロントカウルにくびれを持たせたスポーティなスタイルとなっている。
BMW、ホンダのニューモデル投入によって、さらなる激化が予想されるヨーロッパのスクーター市場だが、これまでのアドバンテージを守れるだろう。TMAX530は、そんなことを予感させる高い完成度を持っていた。
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