モトグッツィの『カリフォルニア』が最新モデルとして蘇った。その名のとおり、以前は北米向けに作られた、いわゆる正統派のアメリカンタイプだったが、今度の新作は電子デバイス満載のハイテククルーザーとしての登場である。
エンジンはモトグッツィ史上最大排気量となる1380ccで、電子制御スロットルと連動して3段階のパワーモードとトラクションコントロールを搭載しているのが特徴だ。
まず感心したのはデザインの斬新さ。長い車体をさらに強張するような水平基調の直線と、タンクからシート、テールにかけての曲線が見事にブレンドした美しいスタイルはさすが芸術の国、イタリア生まれ。さらにシリンダーやヘッドライト、ホイールなどの質感漂うネオクラシカルな造形がまたいい。他のどのバイクにも似ていない個性の塊だ。
巨大なブロックを思わせるモトグッツィ伝統の縦置きVツインは、アイドリングだけで横揺れするほど強烈な存在感に満ちている。取り回しはやや苦労するが走り出せばその印象はがらりと変わり、ひとたびアクセルを開ければドラッグマシンのようにぶっ飛んでいく。パワーモードを最強の「スポーツ」に設定するとこの巨体にしてフロントが一瞬浮くほどだ。一方で「レイン」モードにしてトラコンも早めに介入するレベル「3」にすると、きわめて穏やかなクルージングにもってこいの出力特性になる。
また、バンク角は浅いがハンドリングは素直でコーナリングも楽しめる。ブレーキは前後ともしっかり効きABSも標準装備されているので安心感も高い。最新のモトグッツィの世界観を味わってみてほしい。
|