スクランブラー カフェレーサーは60年代に英国で生まれたサブカルチャーをドゥカティ流に解釈し直したモデルである。エンジンは空冷L型2気筒803cc、ユーロ4対応で吸気系の改良により低回転域でのスムーズなパワーを実現。シャーシは他のスクランブラー同様の鋼管トレリスタイプでKYB製の倒立フォークとモノショックを採用。ブレンボ製シングルディスクとボッシュ製ABSユニットなども共通となっている。また、他のスクランブラーと異なる点として前後17インチホイールを採用し、キャスター角が立てられるなど、よりスポーティな設定になっている。
ライディングポジションはハンドルが低めに開いていて、けっこう前傾するちょっと変わったスタイル。車体もスリムで足着きも良い。エンジンは低速から粘りがあって扱いやすく、空冷Lツインらしい柔らかなパルス感が気持ちいい。4,000~7,000rpm辺りまでが実用域なので、エンジンは回し過ぎず小気味よくシフトアップしていくと楽しく乗れる。クラッチも軽くブレーキも程よく効くし、前後サスペンションはソフトな設定で乗り心地も良い。
ハンドリングはちょっと独特で、他のスクランブラーよりステアリングの応答性は鋭く、旋回性は高いのだが一方でやや神経質さも感じることも。スポーティな乗り味であることは確かだが、ゆったり乗りたいならフロント18インチの他のスクランブラーのほうがおすすめかも。スクランブラーのテイストとカフェレーサーの雰囲気を味わいつつ、ストリートをほどほど元気よく走りたい人におすすめの個性派モデルだ。
|