ドゥカティラインナップの中では、ストリートユーザーを中心としたファンの多いモンスターシリーズ。一昨年、まったくのブランニューとして、モンスター1200を発表。それから約半年という短いスパンで、モンスター821が発表されたということからも、モンスターがブランドの中核を担うモデルということが分かる。
いわゆるミドルクラスの排気量には、これまでモンスター796があったのだが、まったく新しいコンポーネント、そして水冷エンジンを採用、排気量こそ796とくらべ、さほど変わらないが、見た目の印象はだいぶ変わっている。
先だって登場した1200は、乗りやすくなったと評価され、僕もそう感じる部分はあるものの、やはりストリートで使うにはパワーがあり過ぎると思う場面もあった。それに対してモンスター821はどうかというと、まさしくベストバランスでまとまっている。796で感じていた低回転域でのややもどかしい感じはまったくなく、それでいて1200よりもスロットルを開けていけるという、うま味を楽しめるポイントが日本の道にもマッチしているのだ。もちろんハイウェイや広いサーキットでは1200のパワーも楽しめると思うが、ストリートをエキサイティングに走ることに関しては、821にアドバンテージがある。
1200と違い、両持ちタイプのスイングアームや、専用のサイレンサーなどは、むしろこちらの方がデザインのまとまりの良さを覚えるという意見も聞く。そして1200と比べ軸距が縮めらているのも、ミドルモンスターのキャラクター作りに大きく貢献している。
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