とかくスポーツイメージが強いドゥカティのなかにあって、ロー&ロングスタイルが特徴のディアベルは、異質な存在だ。だが、バイク自体は非常に乗りやすく、かつリアに240幅のタイヤを履くマッシブなスタイリングがウケて、現行ドゥカティのなかでも人気モデルとなっている。そのディアベルシリーズに、ツアラー要素を強めたストラーダが加わった。
変更点は、大型フェアリング、シート、タンデムバックレスト、サイドバッグ、ハンドル形状など。特に、スタンダードに比べ15mm高く、60mm手前に設定されたハンドル位置は、標準的な日本人の体格にはありがたい。165cm程度の身長であれば、ポジションに余裕が生まれるようになったのだ。具体的には、これまで身長160cm前半の筆者では、ハンドルをいっぱいに切った際に片方の腕が伸び切ってしまっていたのだが、ストラーダでは腕や肘に余裕が生まれた。これにより、Uターンなどでの不安が解消された。
大型となったフェアリングは、時速80kmあたりから効果を発揮し、ライダーの身体に当たる走行風を見事にキャンセル。ロングライドの際の疲れを大きく軽減してくれるだろう。シートはパッセンジャー部分を肉厚にしてあるが、750mmのシート高は変わらず、筆者でも両足のかかとまでべったり付けることができるほど低い。低回転から厚いトルクを発生するテスタストレッタ11°エンジンや足周りはスタンダードと変わらず。スタンダードの乗りやすさはそのまま受け継がれている。
ツアラーモデルとして見ても高い仕上がり具合は、新たなドゥカティユーザーを獲得できそうだ。
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