トライアンフの新たなフラッグシップ、タイガーエクスプローラーXCが登場した。『XC』とはクロスカントリーの略。本格的オフロード走行にも対応できるモデルであることを意味する。エンジンや車体は基本的にスタンダードモデルと共通だが、独自の装備としてスポークホイールを採用し、未舗装路での走破性を高めているのが特徴だ。
とにかく巨大だが跨ってみると意外にもシートは低く足着きは悪くない。ただ、その重量ゆえ、取り回しには気を遣う。コーナリングは爽快そのもの。1200ccオーバーのみなぎる3気筒パワーで巨体を振り回して走ることができる。軽快とは言えないが、しっかりとした車体とストローク感のある前後サスを生かした豪快な乗り味が魅力。3気筒独特のハスキーなサウンドにも痺れる。
オフロードも想像以上に走る。電子制御スロットルの滑らかな出力特性とトラクションコントロールの恩恵により、巨大トルクを意のままに操れる。電子制御ABSも自然なフィールで、ダートでも扱いやすく安全だ。サスペンションはややソフトな印象で、ダート走行ではプリロードを少しかけたいところだ。
そして高速道路は最も得意とするステージ。もともとワイドレンジな3気筒の特性に加え、余裕のパワーで何速からでもスロットルを開けた分だけ加速していく。快適なライポジと風圧をはねのけるウインドプロテクション、電子デバイスがもたらす安心感に支えられ、快適に距離を伸ばすことができる。アドベンチャーツアラーの枠を超えた、“オールラウンド・メガスポーツ”のような存在と言ってもいいだろう。
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