タイガースポーツは、タイガー1050をベースに各部を大幅にリニューアルした、トライアンフが提唱する『アドベンチャースポーツ』カテゴリーのニューモデルである。
見た目がまずカッコいい。従来型のデュアルパーパス的な雰囲気もいいが、新型は“スポーツ”の名が示すとおり、軽快感と俊敏さを体現したスタイリッシュな外観に生まれ変わっている。シートまわりもスリム化されて足着きも改善され、ライポジもより自由度が高まった。
トライアンフ独自の3気筒エンジンはもともと“フラットトルク”が持ち味だが、新型は10psアップとなり中速域がさらに太く、ピークに向けての上昇感も鋭さを増した。
特筆すべきはハンドリング。スポーツ寄りに軸足を移したのは明らかで、前後サスもダンパーの動きにしっとり感が出て、コーナリング中の安定感も増している。何よりフロントの接地感が鮮明になったのがいい。これらはロングスイングアームの採用など、車体ディメンションの見直しによるところが大きいはずだ。
ブレーキも進化した。制動力もさることながら、ABSの制御がより緻密になったおかげで、どこからでも思い切りブレーキを掛けられる。安全面でもこれは大きなメリットだ。
例えば、荒れた舗装林道などタイガースポーツの独壇場だ。長い脚がもたらす接地感と賢いABSシステムに守られて、路面にあまり神経質にならずにコーナーに飛び込んでいける懐の深さがある。
新設計のラゲッジシステムがオプションで用意され、本来のツーリング性能も強化された。まさに、快速オールラウンダーである。
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