「バイク通」は、ビッグオフローダーを選ぶ。滑りやすい路面でも重量とパワーに気圧されないベテランほど、繊細で豪快なマシンコントロールを楽しめるのだ。これは世界的な傾向で、BMW・GSシリーズが国を問わず人気を呼んでいることが一例だ。その時流に乗り、新型トライアンフ・タイガーも走破性を高めてきた。
注目したいのはフロントタイヤだ。一般的にフロントタイヤが大径であるほど、走破性は高まる。今回リリースされたのは、オンロードモデルのタイガー800と、デュアルパーパスモデル・タイガー800XCの2モデルだが、オンロードモデルの800でさえ、前モデルの17インチから19 インチへと大径化。オンからオフまで幅広いステージで走破性を高める狙いだ。
800XCは完全にオフロード重視と言えるフロント21インチで、ハードなダート区間も難なくこなす実力を見せてくれた。しかもブロックタイヤを履きながら、ハイペースな高速走行でも直進安定性に不安がないのだから恐れ入る。
トライアンフのお家芸、3気筒エンジンならではの味わいは、このニューモデルでも生きている。タイガー800なら、回転数によって変わる表情を楽しみながらロングツーリングできるし、800XCなら低回転では4ストモトクロッサーのような扱いやすさを、高回転では2ストモトクロッサーのようなピーキーさが楽しめる。
どちらを選ぶかは走りのメインステージ次第だが、時流に乗った「通」なバイク選びをするなら、タイガー800XCがお勧めだ。
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