トロフィーが10年の時を経て完全新設計のブランニューモデルとして復活した。先に登場したタイガーエクスプローラーと同じ3気筒1215ccエンジンを搭載する、ラグジュアリーツアラーという位置付けだ。
見た目は大柄だが、跨ってみると思いのほか足着きはいい。同じトライアンフのツアラー、スプリントGTと比べてもシートは低くハンドルは高めで楽な姿勢だ。300kg近い車重ゆえ取り回しは重いが、走り出すとヒラリ感さえある。その巨体からイメージするより、はるかにスポーティな印象だ。WP製の前後サスも動きがスムーズで乗り心地も良い。
エンジンは極めてパワフル。134psというピークパワーもさることながら、特筆すべきは3気筒エンジン特有の超フラットトルクだ。2500〜9500rpmの回転域で最大トルクの8割以上を発生させる。アクセルひとつで加速できるワイドなトルクバンドこそがトロフィーの真骨頂だ。
電子デバイスの威力にも感心した。トロフィーに標準装備されたトラクションコントロールは雨の日や滑りやすい路面で安心だし、トライアンフでは初となる前後連動ABSもとても使いやすく便利だ。ブレーキペダルを軽く踏むとリアのみ作動し、強く踏むと前後が作動するため、Uターンなども普通にこなせる。加えて急制動時にはABSも作動してくれるなどまさに鬼に金棒だ。
メモリー機能付きの電動スクリーンやクルーズコントロール、大容量ツインパニア、12V電源ソケットなどバイク旅を快適に楽しませてくれる豪華装備の数々も魅力。まさに大人のライダーのための本格派GTツアラーである。
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