スネークモータースは一風変わった生い立ちを持つ日本のバイクメーカーだ。もともとは、タレントの所ジョージ氏が主宰する遊びの情報発信基地“世田谷ベース”の雑誌企画から始まったモーターブランド。遊び心満載で作った1台のバイクが好評だったことから、本格的にメーカーとして立ち上げ、市販されることになったのだ。それが同ブランド初の量産モデル『K-16』シリーズである。
車体はロー&ロングで、一見するとクラシカル。だが、よく見るとモダンな雰囲気も合わせ持ち、低く構えた一文字のドラッグバーや、意外と起きたキャスター角、しっかり作られたスチール製クレードルフレームなど、スポーティな走りを予感させる要素が散りばめられている。
エンジン出力は10psにも満たずパワフルとは言えないが、軽い車体のおかげでスタートダッシュはなかなかのもの。小気味よいシングルエンジンの鼓動感に包まれながら、テケテケと元気よく走り回る。低速に粘りがあり、4速ミッションもワイドレンジであることから、排気量の割にはひとつのギアでまったり流せるところもいい。そして、その気になれば、けっこうスポーティなコーナリングもできてしまう。リジッドフレームということで路面からの衝撃を覚悟していたが、思いのほかゴツゴツ感は少なく、普通の感覚で乗ることができた。ブレーキは前後ドラム式ということで効きはそれなりだが、実用面での不具合はないはずだ。
実用車が多いクラスだが、コイツに関しては100パーセント趣味のバイクと言い切れる。乗っていて楽しい、心を元気にしてくれる。K-16はそんなバイクだ。
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