2015年に復活し、5年の時を経てフルモデルチェンジしたCRF1100Lアフリカツイン。その中でもツアラー性能を特化させたのが、このアドベンチャースポーツだ。可変式のロングスクリーンを採用し、高速巡航時の疲労軽減を実現。また、フェイスにはコーナリングランプを採用、バンク角のセンサーによって、3段階のライティングが用意されており、夕方夜間の走りやすさは飛躍的に向上した。カウルの形状も、よりロングツーリング向きだ。
旧モデルに比べてシート高が低くなり足つき性が良くなっている点にも注目したい。旧CRF1000Lのスタンダードが870mmだったのに対し、CRF1100Lは830mm。さらにシートの差し込み位置を変え、ローポジションを取ることで810mmまで下げることができる。また、フレーム設計を全体的に見なおしたことで、数値以上の足つき性を実現している。
エンスト耐性がとても高く、2速で細かいワインディングを走ってもエンストしにくい。各ギヤにおける対応力がとても広く、5速、6速でかなり多くのシチュエーションを走ることができる。これはツーリングにおいて疲れないバイクの大前提だ。また、車体の軽さにも驚いた。特にステップを踏み変えるような時に感じる軽いフィーリングは重量だけでなくフレームのアップデートによる剛性の最適化が効いているのだろう。電子制御ではHSTC(Hondaセレクタブル トルク コントロール)がよりワイドレンジになり、もっとも強くすると雨でクラッチを繋ぐだけで介入してくれた。
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