PCX150をベースに、先行する大型DCTマシンX-ADVをイメージソースとして開発されたミドルスクーターADV150が登場。PCXからエクステリアをガラッと変更し、フレームに至るまでブラッシュアップ。特にスイングアームの形状は特徴的で、本格的なオフロード走行を意識したそれになっている。
PCXに比べ、ストレートで低く構えたハンドルバーは、リアを振り回すようなオフロード的な乗り味に。がっしりと抑え込めるディメンションで、車体のホールド感は秀逸。リアサスにはSHOWAのリザーバータンク付きのツインショックが採用されており、クラス随一の路面追従性を誇る。
特筆すべきは、ディスクブレーキだろう。リアドラムブレーキのPCXとは違ってディスクにアップグレードされているのだが、こちらのタッチは秀逸。150ccの小柄な車体には、ドラムブレーキでも十分だが、やはり「グレードの高いモノ」に勝る装備は、ないと思わされた。オフロードの場合、特にリアブレーキはストップよりも姿勢制御に使うため、そのコントロール性が一層重視される。
全体のパッケージとして、ADV150はPCX150のオフ版というよりは、「ハイエンド版」と表現するべきだと感じる。ユーティリティで劣る部分は少ないし、トルク感やパワー感もPCX比で上位互換の関係にある。単に通勤の足としてPCXを考えるライダーよりも、さらにいい物に触れたい、あるいは心地よくライディングを楽しみたい、そんな欲があるライダーには、価格差も気にならないはずだ。
|