小型二輪の経済性と、普通二輪の利便性を併せ持ったニューカテゴリーとして注目を集めている「軽軽二輪」。今回紹介するCB190Rも、そこに属する一台。生産はホンダの中国工場が担当、現地のライダー向けに開発されたネイキッドスポーツだ。
ストリートファイタースタイルを基調としたモダンなフォルムは、クラスを超えた高級感を感じさせるもの。メーターはフルLCDのデジタル式で、ヘッドライトやウインカーなどの灯火器類に全てLEDを採用するなど、部分的には国内モデルより進んだ装備が持たされているのも面白い。
搭載されるエンジンは排気量184ccの4ストローク単気筒。冷却方式はメンテナンスフリー化とコストダウンを両立する空冷を採用。最高出力は16psと、同クラスのマシンの中で抜きん出ているわけではないが、最大トルクは15・3Nmとなかなか強力だ。パワーバンドも広く、無理に高回転まで回すより持ち前のトルクを活かして走ると楽しい。
ライディングポジションはネイキッドとしては一般的なもの。上半身はほぼ直立し、腕を伸ばせば自然に手が届く位置にハンドルがある。この手のマシンは、足元に窮屈さを感じることがあるが、CB190Rはステップまでの距離に余裕がある。車格に対してポジションが大柄というか、リラックスできるサイズ感があるのだ。日常使用やツーリングでは有難い。
ただ、この余裕あるサイズがマイナスに働く部分もある。ステップ位置が低いため、攻めた走りをすると比較的容易に接地してしまうのだ。もっとも、ステップ周りはカスタマイズの定番箇所なので、アフターパーツに期待するのもいいだろう。
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