“車両価格が10万円を切る新車”として話題を呼んだ、インドホンダが生産するNAVI110が、初のモデルチェンジを果たした。ボディパーツのカラーリングが変更され、マフラーカバーが樹脂製から金属製になり耐久性が増した。そして、最も歓迎できる改善点は、メーターに燃料計が追加されたことだろう。燃費はコンスタントに50km/Lを記録し、タンク容量は3.8Lだから、無給油で190kmは走る計算になる。原付二種としては十分な航続距離だ。けれど、燃料計の有無は使い勝手に大きな差があるので、ユーティリティ向上は顕著。
最高速は80km/h程度。加速は強力とはいえないが、交通の流れに乗るのに問題はない。ブレーキは前後ドラム式であるものの、制動力自体は必要十分。気になる部分は乗り心地の硬さ。アジア圏ではバイクの3人乗り、4人乗りは当たり前。それだけの荷重に耐えるリヤショックが選ばれ、一人乗りには硬すぎるということなのだろう。本来の使用条件を考えれば、致し方ない部分か? このクラスのパーツは安価だし、カスタマイズが楽しめる余地と捉えれば、それもまた良しだ。
NAVI110の乗り味は、見た目以上に“バイク”だ。車体の構成はスクーターのフラットステップを廃し、両足の間に燃料タンクを設置したようなものなのだが、ニーグリップして、ステップを踏みしめて走るという行為が“バイク”なのだと再認識させられた。通勤や通学といった日常のアシとして使う中で、交差点を曲がるだけで“走り”を感じさせてくれる1台なのだ。
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