よくまあ、ここまでコンセプトモデルっぽい近未来フォルムを持つバイクの市販化を、実現したものだ。それだけに、走りがいかなるものか興味津々。いや、正直を言うと、ちょっとは疑問に思っていた。でも走ってみると、驚いたことに大変によくできているバイクだった。
まず跨ると、足着き性が抜群。当然、目の位置が低く、お尻も地面の近くにある。ここまで大地を近くに感じるフィーリングは、クルーザーでもなかなか味わえない。
すると、またまた疑問がもたげてくる。これで真っ当にコーナリングできるのだろうか。それが不思議なくらい素直なのである。それだけじゃない。ハンドリングはスポーツそのものではないか。
ただ寝かし込んでいくだけでなく、ステアリングを腰でコーナーに向けて切れ込ませ、タメを入れてから腰で寝かし込んでいく。そんなコーナリングの基本が造り込まれている。
バックレストに腰を当ててコーナリングすると、体幹がイン側に移動してゆく様子が、背中との接点から感じ取れる。まったく新しいスポーティ感覚だ。おまけに、高速安定性も抜群で、キビキビとスポーツしながら、そのいっぽうでゆったりクルージングできるときている。
DCT装備だから、スロットルを捻れば自動的にシフトアップされていく。エンブレの効き方やメリハリ感も申し分ない。
もちろん、収納スペースの設置など利便性も考慮されていて、スポーツスクーターとして、移動の道具に使うこともできる。NM4は、独自のカタチにして現実的。“本物のバイク”だったというわけだ。
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