NC750S/Xと基本を共用するホンダのインテグラは、低ループフレームに前傾シリンダーエンジンを組み合わせた構成を活かし、ステップスルータイプとしたモデルだ。3車種で共用するエンジンは、排気量を669ccから745ccに拡大し、バランサーも一軸から二軸となって、フィーリングにひとクラス上の上質さが加わっているのだが、ことインテグラに関しては、他の2台以上に良くなった印象。従来型は、スクーターっぽいオートマバイクといったイメージを拭えなかったが、この750版は、使えてスポーティに楽しめるビッグスクーター、いや見事なバイクとスクーターのハイブリッド種として完成度を高めている。
シートやフットボード周りの形状が改められ、足着き性が改善されているのもいい。そして、コーナリングに安心感がある。従来型はコーナーへの進入で望むエンブレが得られず、空走感があって不安もあったが、DCT特性も改善され、望むエンブレが効いてくれるようになった。しかも、車速が落ちてくるにともない、ライダーの意志を汲んだように、自動的にギアダウンされていくという見事さである。このDCT特性はS/Xとも同じらしいが、このインテグラでは荷重コントロールよりもスロットルコントロールに委ねがちになってしまいがちなのか、その恩恵が大きいのかもしれない。また、スイングアームが新しくなったことも、コーナリング性能を高めてくれているようだ。
おかげで、普通に足代わりに使えて、利便性も高く、それでいてワインディングでも走りを楽しめるバイクに進化していたというわけだ。
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