フォルツァSiは、ユーザーの価値観の変化に対応して、スマートカードキー、7速Sマチック、オーディオなどの豪華装備を廃し、実質的に15万円程度の低価格化を実現した新型スクーターである。そのスタイリングは、一目見てフォルツァであると分かる一方、目新しさもある。
車体は、装備品の廃止などによって約10kgの軽量化。合わせてエンジン性能や操縦安定性など、走りの機能を大幅に高めた。
シート高は715mm。跨ると、従来のフォルツァ同様、バイクの中に座りこむシットインスタイルのライポジであることに変わりはなく、足着き性も申し分ない。ところが、軽量化されたことによる恩恵か、車体は明らかに軽い印象で、軽快に取り回すことができる。
ハンドリングは軽快でスポーティ。だが、小径ホイールのスクーターにありがちな神経質さがない。その走りに大きく寄与するのが、フレームの剛性バランスと、リアのオレオリンク、そして14インチにアップされたフロントホイール径だ。結果、車体は安定性と信頼感が高まっている。
エンジンは、全域においてトルクアップされていて、伝達効率が向上したVマチックと、軽快になった車体とが相まって、スロットルコントロールで小気味良く駆っていくことができる。スポーティだし、街中からワインディング、自動車専用道路にいたるまでストレスがない。特に国内での使用を考えると、動力性能はこれで充分。環境にベストマッチングとも思える基本性能を持っている。
現実的な性能と、楽しめる特性。コンセプトどおりにベンチマークとなり得る新型スクーターなのである。
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