2輪市場の拡大を念頭に置いたホンダが、イッキに5台もの原付2種モデルを発表したのは13年。その中で最も成功を収めたのがグロムだ。親しみやすさとスポーツ性を程よい塩梅で両立したこのモデルは、昨今ではアフターマーケット市場でも絶大な人気を博しているのだが、実は僕自身は、これまでにグロムに乗った経験がないのだった・・・。
そんなわけで以下のインプレでは、モデルチェンジを受けた16年型ならではの魅力は紹介できないのだけれど、プレスリリースを読んでみると16年型の主な特徴は、全面刷新された外装とアップ↓ダウンタイプに変更されたマフラー、フォールディング式のイグニッションキーくらいだから、乗り味は従来型も新型もほとんど同じ、と考えていいと思う。
で、実際に初めてグロムを体感した僕がどんな印象を持ったかと言うと、“こりゃ楽しいわ”であった。
タイで販売されるWAVE125をベースとする空冷単気筒は、低回転域で力強いトルクを発揮する一方で、高回転域ではビンビン回るし、数多くのパーツを専用設計したシャシーは、どんな状況でも過不足ない反応を見せてくれる。あまりに楽しくて、当初は前後タイヤが17インチだったらもっと・・・と思ったものの、乗り込むうちに前後12インチの気軽さや軽快さに気づいた僕は、グロムが世界中で大ヒットモデルとなった理由の一端を、今さらながらにして理解できた気がした。
とはいえ、僕がグロムのオーナーになったら、前後ホイールサイズはそのままに、多種多様なアフターマーケットパーツを投入して、自分好みのカスタムを行いそうである。
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