バガースタイルとは、サイドバッグ付きのツーリングモデルをベースに使いながら、シートやボディカウルの変更、サスペンション交換などによりロー&ロングなフォルムが形成されたカスタム手法のこと。ここ数年、クルーザー系で流行している。
その流れを受けて登場したのがホンダ・ゴールドウイングの派生モデル、ゴールドウイングF6Bだ。低くチョップされたウインドスクリーンに代表されるフロント部は、サイドミラーとミドルカウルのデザインを変更。シートはバックレストを排除するとともに、パッセンジャーシートはリア周りのデザインに溶け込むフラットな形状。ゴールドウイング(以後GL)らしさの象徴でもあるゴージャスなトップボックスを取り外し、ロー&ロングを強調したクールで若々しいスタイルとされた。
車両を動かしてみると、車重が385kgもありながら、押し引きが軽いことに驚く。シート高に関しては、F6Bの方がGLより15mm低いのだが、実際にまたがってみると、シートスポンジの硬さと、ラウンド形状の違いから、足付き性はGLのほうが良かった。
エンジン、足周りに関する数値はGLとまったく同じ。だが、トップボックスの排除などによる軽量化の恩恵はかなり大きく、F6Bの走りは軽快そのもの。レーンチェンジやコーナリングでも動きは軽い。また、低いウインドスクリーンは、日常のスピード域でも十分な防風性能を発揮してくれる。
車両価格は199.5万円。GLの派生モデルとはいえ、その仕上がり具合を味わえば、決して高価な買い物ではないことに気付くだろう。
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