ホンダの若手開発者による研究・開発集団、Nプロジェクトが手掛け2001年に発売されたズーマー。原付1種ながら、独特のスタイルで現在も継続販売されている人気車種のひとつだ。その兄貴分となる『ズーマーX』が原付2種クラスに投入された。
エンジンは、110ccの空冷単気筒。そのスペックには特に目立ったところがないものの、F1によって低回転から十分な出力を発生するよう調教されたことで、信号発進などゼロスタートを得意としている。同型エンジンを積むディオ110と比べると、エンジンの味付けでこれほど変わるものかと驚くほど。2人乗りでも加速がもたつくことがない。
そのまま中速域までは、アクセル操作に対してリニアに反応する。このダイレクトな感覚は実に心地良いのだが、反面、高回転域は苦手。具体的には時速80km以上の領域で、加速がにぶるのを感じた。それでも実用には十分な走行性能であることは間違いない。
足周りは、前後12インチのアルミホイールに幅広タイヤを装着。フロントには倒立フォークを奢り、安定感のある走りを実現させている。
車体は、比較的大柄だ。カタログ上のシート高は763mmと低いが、幅広いシートのため足付きは悪い。身長163cmのテスターがまたがると、両足のつま先が少し接地するくらい。しかし、シートの幅が広いということは、長時間乗っても疲れにくいというメリットにもなっている。
元気な走りと斬新なデザインは、若手ライダーを強く意識した造りだが、他とは違うスタイルに興味がある大人が乗るのもアリだと思う。
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