ホンダの新世代バイク「ニューミッドコンセプトシリーズ」の中で、ネイキッドの外観をまとったモデル、NC700Sにオートマ仕様のDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が登場した。
700ccの水冷パラレルツインエンジンは270度位相クランクによる独特のパルス感が心地いい。それでいて、バランサーのおかげで回転は滑らか。不快な振動もなく、サウンドも耳に優しく疲れない。ライポジはコンパクトでNC700Xに比べるとシート高で40ミリ低いため足着きも良好だ。
DCTは走行状態に合わせて適切なギア選択を自動的に行うATと、従来のマニュアルシフトに近い感覚で任意にシフトチェンジが可能なMTの2つのモードが設定されている。
ATにも2パターンの設定があり、通常走行用のDモードでは穏やかに加速してゆっくりとシフトアップ。一方、スポーティな走りに適したSモードは高い回転数を使ったメリハリのある走りができる。さらに自分でシフトタイミングを決めたい場合はMTも選択できる。DCTの場合、、モードに関わらず絶対にエンストしないのがいい。Uターンや渋滞なども安心で、その意味では街乗り向きかもしれない。
ただ、DCTはスタンダード(ABSなし)に比べて14キロ重いためタイトな切り返しなどでは車体の動きがやや穏やかな感じを受ける。バイクらしいシフトワークを楽しみながら、キビキビと走りたいならスタンダードを。何も考えず、ゆったりとスムーズに走りたい人にはDCTがおすすめだ。
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