昨年、原付クラスに復活したベンリィに、原付二種の110が新たに加わった。フレーム、外装、カラーラインナップは、ベンリィ同様。違いはエンジン排気量とタンデムステップが付いたこと、積載能力がベンリィの30kgから2倍の60kgまでアップしたことだ。低床リアデッキの使い勝手の良さや、大容量燃料タンク採用による、給油回数の低減といった長所はそのまま継承されている。
またがってみると、低いシート高のおかげで身長163cmでも両足の踵はベッタリ着く。足周りはディオなどのシティーコミューターと比べて固めの設定だが、これは荷物を積載した時のことを考えているため。車重は原付二種モデルとしては平均的な重さだが、低重心のため取り回しは大変に良好だ。
エンジンは、同系エンジンを搭載し通勤通学など街中の足として利用されることを前提としたディオ110に対し、ベンリィ110はビジネス用としてセッティングされている。最大トルクはディオ110よりもおよそ1500回転低いところで発生し、荷物を満載した状態での登り坂でも、力強さを失うことがない。また、ブレーキには前後連動のコンビブレーキを採用。さらに、エンジンを掛けたままサイドスタンドを使用できるなど、ビジネスシーンでの使い勝手を第一に考えて作られている。要は、ディオとはバイクの目指した方向が違うのだ。
ビジネスユーザーはもちろん、バイクを使う環境に坂道が多いというユーザーにも、お薦めのバイクなのである。
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