ビッグバイクのスタンダードとして定評のあるCB1300SFにアッパーカウルを装備、さらにホンダ純正パニアケースとABSを標準装備して、長距離ツーリングに適した仕様となっているのがこのモデルだ。パニアケースとの干渉を避けるためにマフラーの位置を下げ、同時にフレームの強度も向上しているから、CB1300SFにパニアケースを装着するよりも高い安心感を持っている。もうひとつ、純正ならではのうれしいところはメインキーでパニアケースを施錠できることだ。細かいところだが、こうした配慮は旅先での余計な不安や心配を排除するから、結果として安全運転につながる大きな要素だ。
さて、走りについては特筆するところもないほど完成の域に達している。超低回転域から高回転域まで、ビッグバイクならではの太いトルクが車体をスムーズに押し出せば、行きたい方向を意識するだけで曲がっていく素直なハンドリングで284kgの車体を軽々と加速させていく。渋滞した市街地でも安定した重心のおかげでムリにすり抜けせずとも走れるし、とくに雨の日に助けられるABSの安心感は絶大だ。ABSについては未だに「不要だ」と考えるライダーも多いが、たとえば500km以上走った後の豪雨、夜で視界も悪く、疲労もたまってきた場面において的確なブレーキングを行えるライダーは少ない。ABSを作動させずとも、ライダーの安心感は大きな支えとなる。
それを考えるとCB1300SFとの価格差は安く、買い得だ。
|