これまで、丸目ネイキッドのスーパーフォア(以下SF)と、ハーフカウルを装備したスーパーボルドール(SB)で構成されていたCB1300シリーズに、新たにスーパーツーリング(ST)が追加された。
SFとSBは09年の12月10日に、リヤカウルやテールランプ、シート、サイドカバー、ハンドル位置、サスセッティングなどを変更するマイナーチェンジを受け、その改良型SBをベースに開発されたSTは、8日後の12月18日にデビューした。
パニアケースを標準装備するのが、その最大の特徴で、これに対応するためスイングアームピボット部やシートレール部の剛性を見直し。ヘッドパイプ下部には、クロスパイプも追加されている。さらに、スクリーンはSBよりも大きく、ABSを標準装備するなど、ロングツーリングでの快適性を高める装備が満載だ。
SFとSBは、マイチェン時に、ハンドル位置が14mm手前に、23mm上方に移動されたが、STはこれよりもさらにアップライトな設定で、ゆったりとしたポジションを採用。シリーズ共通の改良型シートも、座り心地がかなりよくて快適だ。
高速走行時には、大型化されたスクリーンの恩恵で、両肩付近に当たる風がSBよりも少ない印象。普通に乗っていると、頭に強めの風圧を感じるが、ちょっと前傾するだけで、ヘルメットにあたる風も大幅に減る。
CB1300シリーズの特徴である“扱いやすさ”は、このSTにもしっかりと受け継がれている。車重が10kg以上違うことや、剛性バランスが異なることなどから、STとSBではハンドリングに若干の差があるものの、パニアケース装着によるネガは、あまり感じられない。
さすがにスリ抜けだけはSBよりも気を遣うが、実際にはパニアケースがそれほど出っ張っているわけではないので、まったくムリという感じでもない。
長距離旅や、タンデムの1泊2日程度のツーリングが多いというライダーなら、まず間違いなく満足できるだろう。
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