09年7月に新登場したフェイズは、軽快で俊敏な走りを追求したスポーティなスクーター。フォルツァ用をベースに出力アップを施したエンジンを、フォルツァベースのフレームと組み合わせ、斬新なデザインの外装パーツでまとめている。
そのバリエーションモデルとなるタイプSは、標準仕様から約4カ月遅れで登場。標準仕様がVマチック無段変速機構を採用するのに対し、電子制御7速のホンダSマチックエボを搭載しているのが、最大の特徴だ。
この電子制御CVTも、フォルツァ譲りの装備だが、フェイズに搭載するにあたり、無段変速のスポーツと7速マニュアルという2つのモードを削除。無段変速のD、擬似的に設けられた1〜7速を自動変速するAとS7という3つのモードを、ボタン操作で選べるようにした。
このうちS7は、フォルツァよりもひと足先に採用された新モード。1〜7速を自動変速するのはAモードと同じだが、加速時はAよりもシフトタイミングを遅くすることでエンジンを高回転域まで引っ張り、減速時は反対に積極的なシフトダウンを行なってくれる。また、アクセルがパーシャルの際には低いギヤをホールドする傾向も強い。つまり、マニュアル操作でのスポーツ走行に近い感覚を、簡単に楽しめるというわけだ。
このS7モードの利点は、減速時や旋回時にエンジンブレーキを利用できることや、コーナー立ち上がりで十分なリヤトラクションを得られることにある。これにより標準仕様でも軽快な旋回性能を持つフェイズが、より安定して気持ちのよいコーナリング特性となった。
また、エンジンの高回転域を使えるということは、俊敏な加速ができるということ。元々、軽量で瞬発力に優れるフェイズだが、S7モードが選べるSマチックを搭載したタイプSなら、より爽快な加速を味わうこともできるのだ。
標準仕様よりも価格は6万円ほどアップするが、それだけの価値は十分にあるぞ!
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